アンコールはリビングで
3. 世界で一番の聖域

しばらく玄関でそうやって抱き合っていた後。

靴を脱いだ俺は、玄関で出迎えてくれた凪にくっついたまま、リビングのソファへと移動した。

俺は当然のように、ソファに座った凪の膝の上に頭を乗せてごろんと横になった。
いわゆる『膝枕』というやつだ。

「……目、ちょっと腫れてるよ」

上から俺の顔を覗き込む凪が、俺の前髪を指で優しく梳きながら笑う。

同棲を始めてからまだ1週間足らず。
お互いに呼び捨てで呼ぶことになってからも、まだ数日しか経っていない。

だからなのか、彼女が俺を見下ろして少しだけはにかむその表情には、まだどこか初々しい照れが残っていて、それがまた俺の胸をひどく締め付けた。

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