アンコールはリビングで
澄兄:『おい、泉。今見たか?』
泉:『見た。……なに今の顔。完全に素に戻ってたじゃない』
澄兄:『「魂の帰る場所」って……これ、絶対凪ちゃんとの家のことだろ』
泉:『「鎧」って、実家に置いてきたあのスリーピーススーツのことでしょ。間違いないわ』
私と澄兄のトーク画面のログが、一気に加速する。
世間の視聴者や音楽評論家たちは、この湊の言葉を「高尚で芸術的なコンセプト」として受け取るだろう。
だが、あの日、ホテルのラウンジで彼の決意を聞き、実家で父親と決別した彼の背中を知っている私たち兄姉からすれば、これが何を意味しているのかなんて、痛いほどよく分かった。
澄兄:『全国ネットの音楽番組で、大真面目な顔して、盛大な匂わせ(というか直球の愛の告白)かましてるぞ、うちの末っ子』
泉:『信じられない。あんな涼しい顔して、頭の中は凪ちゃんのことでいっぱいじゃないの!』
澄兄:『放送事故ギリギリの甘い顔だったな。凪ちゃん、これ見たら絶対照れて真っ赤になるぞ』
泉:『見た。……なに今の顔。完全に素に戻ってたじゃない』
澄兄:『「魂の帰る場所」って……これ、絶対凪ちゃんとの家のことだろ』
泉:『「鎧」って、実家に置いてきたあのスリーピーススーツのことでしょ。間違いないわ』
私と澄兄のトーク画面のログが、一気に加速する。
世間の視聴者や音楽評論家たちは、この湊の言葉を「高尚で芸術的なコンセプト」として受け取るだろう。
だが、あの日、ホテルのラウンジで彼の決意を聞き、実家で父親と決別した彼の背中を知っている私たち兄姉からすれば、これが何を意味しているのかなんて、痛いほどよく分かった。
澄兄:『全国ネットの音楽番組で、大真面目な顔して、盛大な匂わせ(というか直球の愛の告白)かましてるぞ、うちの末っ子』
泉:『信じられない。あんな涼しい顔して、頭の中は凪ちゃんのことでいっぱいじゃないの!』
澄兄:『放送事故ギリギリの甘い顔だったな。凪ちゃん、これ見たら絶対照れて真っ赤になるぞ』