アンコールはリビングで
2. 満たされる日常と、変装の下で緩む頬

再び目を覚ました時には、時計の針は午前9時を回っていた。

二度寝のおかげで、泥のようだった身体の重さは随分と抜け、頭もすっきりと冴えている。

ベッドを抜け出してリビングに向かい、まずは洗面所で顔を洗う。
鏡に映る自分の顔は、福岡の2日目よりは少しマシな顔をしていた。

キッチンへ行き、沸かしたての白湯をゆっくりと喉に流し込む。
じんわりと熱が身体の内側を巡り、感覚がようやく今日という一日に追いついてきた。

昨晩の残りの、塩麹で味を整えた具沢山の野菜スープ。
そして、今朝は俺も念願だった、ぷちぷちとした食感のもち麦ご飯。
それと、ふっくらと焼かれた鮭に、鰹節とオクラを乗せた冷奴。 

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