アンコールはリビングで
43 甘すぎる逃走
1. 完璧なディナーの余韻と、内緒の準備
(……よかった。無事に、喜んでもらえたみたい)
テーブルの上に並べたフレンチビストロ風のコース料理は、湊の胃袋にあっという間に吸い込まれていった。
楽しい会話と共にグラスを傾け、彼が最後に残ったピラフの一口を愛おしそうに平らげるのを見て、私はホッと胸を撫で下ろした。
「……あー、マジで美味かったわ。でも、なんか腹八分目っていうか、まだ全然食べられる気がする。鴨肉もピラフも、もっと食いたかったくらいだ」
湊が名残惜しそうに空のお皿を見つめながら言う。
「ふふっ、今日はあえて少しだけ軽めの量にしておいたの。湊もまだ疲れが残ってるだろうし、胃に負担がかからないようにね」
私は平静を装って、少しだけ誤魔化すように笑った。
本当は、この後に控えている『主役』を美味しく食べてもらうための、私なりの周到な計算なのだ。
「そっか。まあ、凪が俺の体調考えてくれてんのは一番わかってるし。……ほんと、ごちそうさま。最高だったわ」
「お粗末さまでした。……あ、ノンカフェインの紅茶淹れるから、湊はリビングのソファでくつろいでて?」
「おう、サンキュ」
湊は立ち上がり、リラックスした様子でリビングのゆったりとしたソファへと移動した。
私は急いでお皿をまとめてシンクに下げると、キッチンの奥、冷蔵庫の前に立った。
(……よかった。無事に、喜んでもらえたみたい)
テーブルの上に並べたフレンチビストロ風のコース料理は、湊の胃袋にあっという間に吸い込まれていった。
楽しい会話と共にグラスを傾け、彼が最後に残ったピラフの一口を愛おしそうに平らげるのを見て、私はホッと胸を撫で下ろした。
「……あー、マジで美味かったわ。でも、なんか腹八分目っていうか、まだ全然食べられる気がする。鴨肉もピラフも、もっと食いたかったくらいだ」
湊が名残惜しそうに空のお皿を見つめながら言う。
「ふふっ、今日はあえて少しだけ軽めの量にしておいたの。湊もまだ疲れが残ってるだろうし、胃に負担がかからないようにね」
私は平静を装って、少しだけ誤魔化すように笑った。
本当は、この後に控えている『主役』を美味しく食べてもらうための、私なりの周到な計算なのだ。
「そっか。まあ、凪が俺の体調考えてくれてんのは一番わかってるし。……ほんと、ごちそうさま。最高だったわ」
「お粗末さまでした。……あ、ノンカフェインの紅茶淹れるから、湊はリビングのソファでくつろいでて?」
「おう、サンキュ」
湊は立ち上がり、リラックスした様子でリビングのゆったりとしたソファへと移動した。
私は急いでお皿をまとめてシンクに下げると、キッチンの奥、冷蔵庫の前に立った。