アンコールはリビングで

45 お揃いの体温と、未来へ続く軌跡

1. 湯上がりの特等席と、二人だけの匂い

お祝いのケーキを食べ終えた後、私たちは二人でゆっくりとお風呂に入った。

『お預け』を食らって限界ギリギリだった湊は、お風呂に入ってからもまるで大きな子供のように、私を後ろからすっぽりとホールドして離そうとしなかった。

髪や身体を洗う時でさえ、隙あらばぴったりとくっついてきて、そのたびに私は熱気と恥ずかしさでどうにかなりそうだった。

さっぱりとお風呂から上がり、私は下着姿のまま洗面所の鏡の前に座っていた。
背後には、同じくお風呂上がりの湊が立って、ドライヤーで私の濡れた髪を優しく乾かしてくれている。

温風と一緒に、彼の大きな手のひらが私の髪を梳くたび、心地よい微睡みに誘われる。

ふと、鏡越しに視線が交差した。

湊の琥珀色の瞳が、私の鎖骨のあたりに落とされた赤いキスマークと、自分の胸元で静かに光るプラチナのネックレスを交互に見つめている。

彼が私につけた「印」と、私が彼につけた「印」。
鏡越しにその事実を確かめ合うように視線が絡み、私たちはどちらからともなくふっと照れくさそうに笑い合った。

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