アンコールはリビングで
4. 誓いと、未来へ続く軌跡

心も身体も深くリラックスした状態で、私は湊の胸板に耳を当てた。

ドクン、ドクンと、力強くて規則正しい彼の心音が心地よい。

「……三十歳って、やっぱり人生の節目って感じあるよね」

私は彼の胸に頬を預けたまま、静かに話しかけた。

「あ、これ聞こうと思ってたんだ。湊の、三十歳の抱負は?」

「抱負?」

湊は私の頭を優しく撫でながら、少しだけ考える素振りを見せた。

「そうだな……。もちろん、歌手として今よりもっと上を目指して、すげぇ景色を見に行くのは当然として。……三十歳は、俺の人生の中でも、一番重要な年になるだろうな」

「一番重要な年……?」

「おう」

湊はふっと視線を私に下ろし、琥珀色の瞳で私を真っ直ぐに捉えた。
その瞳の奥には、確固たる決意のような、眩しい光が宿っている。

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