アンコールはリビングで
「……そのうち、俺が言ってる意味が分かるって」

「え? なにそれ、教えてよ」

私が身を乗り出して彼の胸をつつくと、湊はふっと余裕たっぷりに笑い、私をぐっと力強く抱き寄せた。

「……教えてほしかったら、もっと俺のこと甘やかしてみろよ」

彼特有の、少しSっ気を滲ませた意地悪な笑み。
事後の火照りが残る身体が、その低い声の響きだけで再び熱を帯びるのが分かる。

「もう……湊のいじわる」

「ははっ。……まぁ、期待して待ってろって」

湊は私の鼻先を指で軽く弾き、満足そうに笑った。

「……ねえ、湊」

「ん?」

「今日がデビュー四周年でしょ。……あの路上ライブに、島崎さんが来た日のこと、私まだはっきり覚えてるよ」

私の言葉に、湊は少しだけ懐かしむように目を細めた。

「ああ、あの日か……あの頃の俺、とにかく必死だったし、凪はずっと俺の歌聴きにきてくれてたもんな」

「うん。湊の歌が、あの頃からずっと大好きだったから」

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