アンコールはリビングで
4. 守護者の記録と、開かれる扉

月曜日の昼下がり。
羽田空港。

喧騒から少し離れたVIP専用のエントランスで、俺は早瀬くんを都内のマンションへ送り届けるため、事前に手配していたタクシーの到着を一緒に待っていた。

やがて、滑り込むようにして黒い車体が目の前に停まる。

「お疲れ様、早瀬くん。……今日はゆっくり過ごしてね。明日はメンテがあると思うから、体調整えて、また水曜日にね」

「……はい。色々と調整、ありがとうございました。島崎さんも、ゆっくり休んでください」

彼はタクシーに乗り込む直前、俺に向かって深く頭を下げた。

そして、ドライバーに大きなキャリーケースをトランクへ預けると、迷いのない、けれどどこか弾むような足取りで後部座席へと吸い込まれていった。

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