アンコールはリビングで
俺は、頭の中で一つのドキュメンタリーのページをめくるように、今日の出来事を静かに記録した。

タイトルは、『Liner Notes —Sanctuary Encore 福岡—』。

(……音楽の神様が、ただの一人の男に還る場所。あそこだけは、俺が絶対に守り抜いてやらないとな)

俺は心の中でそう独りごちて、初夏の空港の風を深く吸い込んだ。

これからあのリビングで、彼らがどれほど温かい再会を果たすのか。

それは、長年彼を一番近くで見てきたマネージャーである俺ですら、決して踏み込んではいけない、不可侵の領域だ。

俺はただ、次の大阪のドーム公演で、彼女の愛をたっぷりと補充して『充電』を完了させた彼が、どれだけ底知れない色気を纏った「神様」としてステージに戻ってくるのかを、一人の音楽ファンとして楽しみに待つことにした。
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