アンコールはリビングで
ふとバックミラーを見ると、早瀬くんがスマホを見つめたまま、無自覚に口元を綻ばせているのが見えた。
その柔らかい表情に、俺はついニヤリとして尋ねる。
「……お、凪さんからいってらっしゃいのメッセージ?」
すると、彼はハッとしたようにスマホを伏せ、耳まで赤くして視線を逸らした。
「……いえ、違いますよ。兄と姉からです。……もう、三十にもなる弟に、二人して朝っぱらから長文で『湊、おめでとう!』とか『今日のラジオ絶対聴くから!』とか……。本当に、うるさいっす……」
「ははは! お兄さんとお姉さんか。相変わらず仲がいいね」
彼の兄・澄(とおる)さんと、姉・泉(いずみ)さん。
早瀬家の三兄妹グループは、普段既読スルーが多い早瀬くんに対しても、上の二人が熱烈な「湊ファン」としてメッセージを送り続けているのを俺は知っている。
照れを隠そうと「うるさい」なんて言いながら、その実、家族からの真っ直ぐな愛情を力に変えている彼の姿が、なんだか年相応の弟らしくて、俺はハンドルを握りながら密かに口角を上げた。
その柔らかい表情に、俺はついニヤリとして尋ねる。
「……お、凪さんからいってらっしゃいのメッセージ?」
すると、彼はハッとしたようにスマホを伏せ、耳まで赤くして視線を逸らした。
「……いえ、違いますよ。兄と姉からです。……もう、三十にもなる弟に、二人して朝っぱらから長文で『湊、おめでとう!』とか『今日のラジオ絶対聴くから!』とか……。本当に、うるさいっす……」
「ははは! お兄さんとお姉さんか。相変わらず仲がいいね」
彼の兄・澄(とおる)さんと、姉・泉(いずみ)さん。
早瀬家の三兄妹グループは、普段既読スルーが多い早瀬くんに対しても、上の二人が熱烈な「湊ファン」としてメッセージを送り続けているのを俺は知っている。
照れを隠そうと「うるさい」なんて言いながら、その実、家族からの真っ直ぐな愛情を力に変えている彼の姿が、なんだか年相応の弟らしくて、俺はハンドルを握りながら密かに口角を上げた。