アンコールはリビングで
4. 溶けゆく(Melt)聖域、宮城の奇跡
六月二十日、二十一日。宮城のアリーナ。
凪さんの完璧なメンテナンスを経て、早瀬くんはさらに磨き上げられた状態で宮城の地に降り立った。
ライブも後半戦に差し掛かる。
衣装チェンジを終え、ミッドナイトブルーの照明に照らされたステージに彼が一人で現れた。
六月一日にリリースされたばかりの新曲、『Melt』。
気怠げなアコースティックギターのカッティングから始まり、重低音のベースが心臓を叩く。
早瀬くんは凪さんの体温に溶かされた夜を歌ったこの究極のラブソングを、五千人の前で解き放った。
激しいダンスではないが、首筋から指先までしなやかに波打つボディウェーブと、マイクスタンドを指先で愛おしそうになぞる仕草。
その一挙手一投足に、客席からは悲鳴に近い歓声が上がる。
息をするたび 満ちていく熱
ただ深く この揺らぎに沈んで
サビのフレーズが響き渡る中、彼の視線がふと、虚空を射抜いた。
その瞳は、観客を見ているようで、その実、東京で待つ彼女の存在を、この熱狂の渦の中に呼び寄せているかのようだった。
六月二十日、二十一日。宮城のアリーナ。
凪さんの完璧なメンテナンスを経て、早瀬くんはさらに磨き上げられた状態で宮城の地に降り立った。
ライブも後半戦に差し掛かる。
衣装チェンジを終え、ミッドナイトブルーの照明に照らされたステージに彼が一人で現れた。
六月一日にリリースされたばかりの新曲、『Melt』。
気怠げなアコースティックギターのカッティングから始まり、重低音のベースが心臓を叩く。
早瀬くんは凪さんの体温に溶かされた夜を歌ったこの究極のラブソングを、五千人の前で解き放った。
激しいダンスではないが、首筋から指先までしなやかに波打つボディウェーブと、マイクスタンドを指先で愛おしそうになぞる仕草。
その一挙手一投足に、客席からは悲鳴に近い歓声が上がる。
息をするたび 満ちていく熱
ただ深く この揺らぎに沈んで
サビのフレーズが響き渡る中、彼の視線がふと、虚空を射抜いた。
その瞳は、観客を見ているようで、その実、東京で待つ彼女の存在を、この熱狂の渦の中に呼び寄せているかのようだった。