アンコールはリビングで
「そうなんだ。……じゃあ、そんな無敵の神様には、特製の『疲労回復&腸活メニュー』を出さないとね」

「おっ、マジ? ……今日のご飯なに?」

私がふふっと笑って言うと、その瞬間、彼を覆っていた鋭いオーラがシュンと消え去った。

「今日はね、鶏肉と醤油麹のみぞれ煮と、もち麦ご飯だよ。あとは、彩り夏野菜の焼き浸しと、オクラと崩し豆腐の塩昆布和え!」

「うっわ、最高。それめっちゃ食いたかったやつだわ……。凪、マジで最高」

さっきまでの近寄りがたいスターはどこへやら。

食卓に並べられたいつものご飯と栄養満点の副菜を見た瞬間、完全に「ただの男」――というか、お腹を空かせた大型犬――に戻ってだらしなく頬を緩める彼を見て、私はホッと胸を撫で下ろした。

どれだけ彼が外の世界で研ぎ澄まされていようと、このリビングの特等席だけは、彼を日常に引き戻す絶対的な場所なのだ。

「このみぞれ煮、マジで美味い……。付け合わせの野菜もカラフルで、なんか食ってるだけで元気出るわ」

パクパクと小気味良い音を立ててご飯を平らげた湊は、満足そうに息を吐いた。

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