アンコールはリビングで
食べ終わり、私が食器を洗おうと思って立ち上がると、彼がスッと手を出して私の動きを遮った。

「あ、俺が片付けるから」

「えっ、でも湊、宮城から帰ってきて疲れてるでしょ? 私やるよ?」

「疲れてんのは、仕事帰りの凪もだろ」

湊は私の手からお皿を受け取ると、そのままキッチンへと向かった。

「ゆっくりしてて良いのに……」と私はつぶやきながらも、「ありがと」と彼の広い背中へ声をかけると、彼はスポンジを片手にひらひらと右手を挙げて答えてくれた。

それなら、お茶でも淹れて待っていよう。

私はグラスに氷を入れ、ノンカフェインのアイスティーを二人分用意した。

氷のカランという涼しげな音をさせながら、食器を洗う湊の背中を見つめていると、不意に、水が流れっぱなしになっていることに気がついた。

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