アンコールはリビングで
2. 完璧な分離感と、見えない努力の結晶

ライブは、一切の淀みなく、芸術的なまでの完成度で進んでいく。

前半戦のアッパーなブロックを流れるような美しいステージングで駆け抜け、最初のMCタイムに入った。

「皆さん、こんばんは。早瀬湊です。……ついに来ましたね、東京ドーム」

彼が微かに微笑みながら、マイクを通して語りかける。

先ほどまでステージの上で、圧倒的な存在感で観客を魅了していた姿とは打って変わって、誠実で隙のない「早瀬湊」としての顔。

「今日はツアーの最終日です。僕の持っているすべてを、皆さんの心に届くように歌います。……最後まで、ついてきてくれますか?」

『キャーーーッ!』

ドームが物理的に揺れるほどの歓声に、湊は満足そうに深く目を細め、次の曲へとギターを構え直した。

やがて、ミディアムテンポのグルーヴィーなナンバーへと入った時。

音の波に包まれながらペンライトを振っていた私は、ふと、あることに気がついた。

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