アンコールはリビングで
(……湊)

誕生日プレゼントとして私が彼に贈った、「私のもの」であるという独占欲の印。

彼は衣装の下にそれを忍ばせ、この五万人の熱狂の渦の中心でたった一人、戦い続けていたのだ。

「これは私に向けた歌だ」

そんなファンとしての喜びや優越感は、もうとっくに通り越していた。

ステージの上で、あんなにも大きく、眩しく輝く「音楽の神様」。

でも、その神様の仮面の下には、私の手料理を欲しがり、私の体温に縋り、私が贈った細いプラチナの鎖を命綱のように身につけている、不器用で愛おしい一人の男がいる。

五万人をたった一人で背負うプレッシャー。

常に完璧を求められる圧倒的な孤独。

彼は、こんなにも大きくて重いものを背負って、日々戦っているのだ。

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