アンコールはリビングで
3. 空っぽの神様と、玄関での帰還
時計の針が、深夜零時を回った頃。
ガチャリ、と。
電子ロックが解除される音がして、重たい玄関のドアがゆっくりと開いた。
「……湊」
私が廊下へ顔を出すと、そこに立っていたのは、ドームで五万人を支配していた「音楽の神様」としてのオーラを微塵も残していない、全エネルギーを使い果たした一人の男だった。
肩は力なく落ち、キャップの下の顔は心地よい疲労感に包まれている。
彼は私と目が合うなり、手に持っていた大きなカバンを床にドンッと放り投げた。
そして、靴を脱ぐのももどかしいというように膝をつき、出迎えた私に向かって、全体重を預けるように倒れ込んできたのだ。
時計の針が、深夜零時を回った頃。
ガチャリ、と。
電子ロックが解除される音がして、重たい玄関のドアがゆっくりと開いた。
「……湊」
私が廊下へ顔を出すと、そこに立っていたのは、ドームで五万人を支配していた「音楽の神様」としてのオーラを微塵も残していない、全エネルギーを使い果たした一人の男だった。
肩は力なく落ち、キャップの下の顔は心地よい疲労感に包まれている。
彼は私と目が合うなり、手に持っていた大きなカバンを床にドンッと放り投げた。
そして、靴を脱ぐのももどかしいというように膝をつき、出迎えた私に向かって、全体重を預けるように倒れ込んできたのだ。