アンコールはリビングで
一ヶ月弱の長丁場。

持てるものをすべて出し切って、完全に燃え尽きた彼の等身大の重みが、私の腕の中にすっぽりと収まっている。

(……あんなに大きなものを、この背中でたった一人で背負ってたんだね)

愛おしさと、彼を守り抜くという静かで温かい波のような決意が、私の胸の奥から静かに満ちていく。

「……お風呂、もう沸いてるよ。ステージの汗、さっぱり流しておいで?」

私が子供をあやすように背中をポンポンと叩くと、湊は「……んー……」と不満げな唸り声を上げ、私の首元にさらに顔を擦り付けてきた。

けれど、彼自身もこのままでは私が困るのが分かっているのか、のそりと身を起こす。

「……すぐ出るから。待ってて」

「うん、待ってるよ。着替え、洗面所に置いてあるからね」

フラフラとした足取りでバスルームへと向かう彼の背中を見送りながら、私はキッチンへと戻り、うどんの鍋に火をつけた。

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