アンコールはリビングで
「はいはい。本当にお疲れ様」

私が膝枕をしたまま、少し湿った彼の髪を指先で優しく梳いてやると、湊は気持ちよさそうにふぅっと長く、深い息を吐き出した。

「……外でどんな景色見ても、やっぱここが俺の本当の聖域だわ……」

目を閉じたまま、彼がポツリと呟く。

その言葉に嘘や飾りが一切ないことは、彼のリラックスしきった体温が雄弁に物語っていた。

「……今日のライブ。全部最高だったけど……特に最後の『Sanctuary』、すごくよかったよ」

私が撫でる手を止めずに小声で言うと、湊はゆっくりと目を開け、下から私の顔を見上げて、優しく口角を上げた。

「……ああ。俺にとって、一番重要な曲だからな。今日、ああいう一番大事な大舞台で、凪の前で歌えて良かったわ」

彼はそう言うと、ごそごそと体勢を変え、私の顔を真っ直ぐに見上げるように仰向けになった。

そして、琥珀色の瞳で私を深く射抜いたまま、口を開いた。

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