アンコールはリビングで
「……凪、起きてる?」

静寂の中、暗闇に溶けるような、掠れた低い声がすぐ隣で響いた。

「え……。湊も、まだ眠れなかったの?」

「あぁ。身体は泥みたいに重てぇのに、なんか……頭だけ冴えてて」

カサリ、とシーツが擦れる音がして、仰向けに寝ていた湊が、私の方へと寝返りを打った。

私も彼に向き直るようにして、横向きになる。

暗闇に目が慣れてくると、至近距離にある彼の端正な輪郭がぼんやりと浮かび上がってきた。

湊は、布団の中でゆっくりと手を伸ばし、私の髪を長い指ですっと撫でた。

そして、そのまま指の背で、私の頬を愛おしむように優しくなぞる。

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