アンコールはリビングで
「……凪。……やっと、ちゃんと触れられた」

私の鎖骨から背中へと滑り降りていく、彼の大きな手のひら。

普段の少し強引な彼とは違う、どこまでも私を愛おしむようなゆっくりとした愛撫に、身体の内側からじんわりと甘い痺れが広がっていく。

「……っ、ん……みなと、……」

「……はぁっ……。凪に触れてねぇと、なんか落ち着かねぇわ」

彼が私の額に自分の額をそっとすり寄せ、乱れた呼吸のまま低い声で囁いた。

「……凪が今、こうやって俺の腕ん中にいるって……ちゃんと、確かめてぇんだよ……」

「……みなと……」

疲れているはずなのに、私に触れる彼の動きはどこまでも甘い。

私たちは、互いの心に空いた寂しさを埋め合わせるように、夜の闇の中でゆっくりと、ただ深く互いの体温を溶かし合った。


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