アンコールはリビングで
Bonus track 3 エリートたちの狂騒
1. エリートの財力と、物販無双
六月二十八日、日曜日。
うだるような初夏の熱気に包まれた、東京ドーム周辺。
五万人もの熱狂的なファンたちがひしめき合うその中心で、私――早瀬泉(はやせ いずみ)は、両手に抱えきれないほどの巨大なショッピングバッグを提げて、ふぅっと前髪を吹き飛ばした。
「よし、とりあえずミッションコンプリートね」
大手ローファームで働く弁護士としての冷静な判断力と、ブラックカードの圧倒的な財力を駆使し、私は早瀬湊のツアーファイナルグッズを文字通り『爆買い』したところだった。
今日は、同じく弁護士である夫の薫くんに二歳になる愛娘・環(たまき)を預け、休日返上で駆けつけている。
愛する弟の晴れ舞台なのだ、これくらい気合いを入れなくてどうする。
六月二十八日、日曜日。
うだるような初夏の熱気に包まれた、東京ドーム周辺。
五万人もの熱狂的なファンたちがひしめき合うその中心で、私――早瀬泉(はやせ いずみ)は、両手に抱えきれないほどの巨大なショッピングバッグを提げて、ふぅっと前髪を吹き飛ばした。
「よし、とりあえずミッションコンプリートね」
大手ローファームで働く弁護士としての冷静な判断力と、ブラックカードの圧倒的な財力を駆使し、私は早瀬湊のツアーファイナルグッズを文字通り『爆買い』したところだった。
今日は、同じく弁護士である夫の薫くんに二歳になる愛娘・環(たまき)を預け、休日返上で駆けつけている。
愛する弟の晴れ舞台なのだ、これくらい気合いを入れなくてどうする。