アンコールはリビングで
「な、なんで!? お互い別々に、自力でFC枠で単番応募したわよね!?」

「知るかよ! コンピューターの乱数がバグったとしか思えない……っ!」

私たちは頭を抱えた。

いい年をした三十代の兄妹が、弟のライブにたまたま別々に申し込んで、五万分の一の確率を引き当てて隣同士の席に座っているのだ。

「最悪! こんなの、いい年して兄妹で一緒にキャッキャしに来たみたいじゃない! 」

「俺だって勘弁してほしいわ! 月曜に同僚のナースたちから『妹さんと仲良く参戦ですか〜?』ってからかわれる俺の身にもなれ!」

「誰も病院に言いふらさないわよ!」

開演前から、身内同士で醜い小競り合いを繰り広げる私たち。

だが、そうこうしているうちに、無情にも客席の照明がフッと落ち、地鳴りのような歓声がドーム全体を揺るがした。

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