アンコールはリビングで
「ちょっと、何言ってんの!」

「ひっ!? な、なんだよ」

「澄兄がこうやって休日に推し活して、酒飲んで楽しんでる間、蒼くんと凛ちゃんは、咲さんが一人で見ててくれてるんでしょ!?」

「うっ……」

「『明日休みたい』じゃないわよ! 家に帰ったら、咲さんに這いつくばって土下座して感謝して、しっかり労って、明日はボロボロの体に鞭打ってバリバリ働いてきなさい!! 甘えてんじゃないわよ!」

「ひぃっ! す、すいませんでしたっ!!」

私のド正論の喝に、三十六歳の外科医は小さくなって平謝りした。

(まあ、私も今日は薫くんに環のこと任せてるから、あまり人のことは言えないんだけど)

私は、さっき乱暴に置いたグラスを取り上げ、烏龍茶で喉を潤した。

この時間なら、環はもう薫くんに寝かしつけられている頃だろう。

(我が家の最高に優しくてできた夫には、帰ったらたっぷりお土産話と感謝を伝えるつもりだから、そこは棚に上げておくわ)

私は心の中でこっそりと夫への感謝を唱えながら、情けない顔をしている澄兄を見てふっと笑った。

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