アンコールはリビングで
「わっ。ブラウスに飛んじゃった……あちゃー……また怒られちゃうな。シミ抜きペン出されてガミガミ……」

「えっ? 誰に怒られるの?」

「あ、じゃ、じゃなくて! 涼くんね。うん、えーっと……凪も、よく知ってる人だよ」

「……え?」

おしぼりでブラウスを叩く手を止めた理紗の言葉に、私は首を傾げた。

「知ってるというか、話したことも、見たこともある」

「ん……どういうこと?」

理紗が急に声を顰め、周囲をチラリと見回してから、私に向かって口パクに近い小声で告げた。

「……涼くんって、沢木涼。うちの課長」

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