アンコールはリビングで
カチャンッ。

その言葉を聞いた途端、ドラマのワンシーンかのように、私はパスタを頬張ろうとしていたフォークを危うくお皿の上に落としそうになった。

「……えええええええええ!?」

声量を抑えるのに必死だったけれど、私の目玉は限界まで見開かれていたと思う。

「あ、あの、仕事できるけどクールすぎて『氷点下』で有名な、あの沢木課長……!?」

「そうなのよ……。社内の人、しかも直属の上司だからね、なかなか詳しく話せなかったの。ごめんね」

理紗が申し訳なさそうに眉を下げた。

「凪も、現場時代に彼と一緒に仕事したことあるよね?」

「ある……! 的確に、すっごく冷たくしごかれた覚えが……」

ミスを一切許さない、あの感情の読めない冷たい視線と、淡々とした詰め。

当時を思い出して、少し背筋がぶるっと震える。

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