アンコールはリビングで
午後三時過ぎ。

給湯室でマグカップを洗っていると、背後から小走りの足音が近づいてくる。

「凪」

振り返ると、理紗が両手を後ろに回して、妙にそわそわと立っていた。

「……出してきた」

「え」

「お昼に、二人で。区役所」

その一言で、私の中の何かがぶわっと膨れ上がる。私は濡れた手をハンカチで適当に拭くと、両手で彼女の手を握った。

「おめでとう……! 本当に、おめでとう理紗! どうしよう、私、自分のことみたいに嬉しいんだけど」

「ちょっ、声、声!」

慌てて口を押さえると、理紗の目尻が、じわりと赤くなっていく。

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