アンコールはリビングで
3. 祝勝の食卓

私は急いでルームウェアに着替え、キッチンへと向かった。

コンロの上では、湊が昼からコトコトと煮込んでくれていた豚の角煮が、艶やかな飴色に光りながら最高の香りを放っていた。

隣の鍋には、人参や大根や牛蒡がごろごろ入った、具沢山の豚汁。

「じゃあ、この藍色のどんぶりに湊の角煮で、こっちのアイボリーの小鉢には……」

「冷蔵庫。ひじきと、ほうれん草。それも盛って」

「えっ、副菜まで作ってくれたの!? 湊、主夫の才能あるよ……!」

「茶化すな。ほら、箸並べて」

冷蔵庫を開けると、小さな保存容器が二つ、並んで冷えていた。

ひじきの煮物と、ほうれん草のおひたし。あの日、湊が「凪がいつも作ってくれるやつを入れるのにちょうどいい」と言った、その二つだった。

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