アンコールはリビングで
4. 遠慮の正体

食後。

私はキッチンに立ち、今日届いたばかりの器を、スポンジで丁寧に洗っていた。

カウンターの向こうのリビングからは、ソファに座った湊が気まぐれに爪弾くギターの音が、途切れ途切れに聞こえてくる。

(……付き合って三ヶ月、かぁ)

温かいお湯で器をすすぎながら、先ほどの会話がふたたび頭をもたげた。

理紗のスピード婚。
それに比べて、私たち。

「……私たちなんて、もう四年半なのにね」

ポロッと。

本当に無意識のうちに、心の奥底に沈めていた本音が、独り言のように口からこぼれ落ちてしまった。

水音にかき消されるくらいの、小さな声だったはずなのに。

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