アンコールはリビングで
「……凪? 今、なんて言った?」
ギターの音がふつりと止んで、湊の低い声がまっすぐに飛んできた。
ビクッとして顔を上げると、ギターを抱えたままの湊が、カウンター越しに、真剣な琥珀色の瞳でこちらをじっと見つめていた。
「えっ……あっ、ううん! 何でもないよ! ただの独り言!」
「何でもなくねぇだろ。……四年半が、どうしたって?」
誤魔化そうとしたけれど、彼の耳にはしっかりと届いてしまっていたらしい。
私は泡のついた手を慌てて水で流し、タオルで拭きながら、必死に弁解の言葉を探した。
「あのね、違うの。理紗が三ヶ月で結婚したから、私たちとは全然スピード感が違うなぁって思っただけで。不満があるとか、そういうんじゃなくて……!」
湊は無言のまま、立ち上がってキッチンカウンターの方へと近づいてきた。
その無言の圧に、私は焦って、自分で自分の心に『いつもの蓋』を被せようと早口になった。
ギターの音がふつりと止んで、湊の低い声がまっすぐに飛んできた。
ビクッとして顔を上げると、ギターを抱えたままの湊が、カウンター越しに、真剣な琥珀色の瞳でこちらをじっと見つめていた。
「えっ……あっ、ううん! 何でもないよ! ただの独り言!」
「何でもなくねぇだろ。……四年半が、どうしたって?」
誤魔化そうとしたけれど、彼の耳にはしっかりと届いてしまっていたらしい。
私は泡のついた手を慌てて水で流し、タオルで拭きながら、必死に弁解の言葉を探した。
「あのね、違うの。理紗が三ヶ月で結婚したから、私たちとは全然スピード感が違うなぁって思っただけで。不満があるとか、そういうんじゃなくて……!」
湊は無言のまま、立ち上がってキッチンカウンターの方へと近づいてきた。
その無言の圧に、私は焦って、自分で自分の心に『いつもの蓋』を被せようと早口になった。