アンコールはリビングで
「……あー、クソ。マジで暑ぃ……」

ラグの上に大の字になって寝転がっている湊が、低く掠れた声で悪態をついた。

彼は薄手の黒いタンクトップに、スウェットのハーフパンツという、これ以上ないほどラフで無防備な格好をしている。

広くて形の良い肩幅から伸びる腕や、少しだけ汗ばんで艶を帯びた首筋。

普段、表舞台で完璧な「早瀬湊」として隙のないオーラを纏っている彼が、休日の家の中だけで見せる、だらしなくて気怠い姿。

それは付き合って一年半が経った今でも、私の胸の奥をぎゅっと締め付けるほどの特権的な色気を放っていた。

「……ほんとだね。エアコン効いてるはずなのに、なんか息苦しいくらい暑い……」

私も彼から少し離れたソファの足元にぺたりと座り込み、ショートパンツから投げ出した自分の足をぼんやりと見つめていた。

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