アンコールはリビングで
「……凪。その懸念は、もっともだ。リスクヘッジとしては正しい」

急にスイッチが入ったかのように、彼の口調が理路整然としたものに変わる。

「だが、俺が提案しているのは、港区のラグジュアリーホテル『Lumière(ルミエール)』のナイトプールだ。……あそこのターゲット層は、単なるSNS映えを狙う若年層じゃない。もっとアッパー層、つまり落ち着いた大人のカップルや、プライバシーを重視する客だ」

「ル、ルミエール……」

「そうだ。入場料自体が高額に設定されているから、芋洗い状態になることは物理的にあり得ない。さらに、入場時のドレスコードやマナーのチェックも厳しい。客層の質が担保されてるってことだ」

湊は、まるで商談相手にプレゼンテーションをするかのように、滑らかな口調でメリットを提示していく。

その説得力のある低い声と、圧倒的な自信に満ちたオーラに、私は思わず気圧されてしまった。

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