アンコールはリビングで
(……マジか。そんな都合のいい穴場があんのかよ。……絶対、凪と行きてぇ)

俺の頭の中は、その情報を得た瞬間から、凪をどうやってそこへ連れ出すかで完全に埋め尽くされていたのだ。

付き合ってからすぐに俺がデビューしてしまったせいで、凪にはずっと窮屈な思いをさせている。

世間の普通のカップルみたいに、真夏の湘南の海をドライブしたり、人がごった返すテーマパークのプールで浮き輪に乗ってはしゃいだり……そんな当たり前の夏の楽しみを、俺は凪に一切味わわせてやれていない。

(俺だって、凪と夏らしいデートがしてぇんだよ。……可愛い水着姿見て、イチャイチャしてぇし)

そんな身勝手な欲望を、分厚い理性の皮で包み隠し。

俺は今日という『二人の休みが重なる、うだるように暑い夏の日』を、虎視眈々と狙っていたのだ。

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