アンコールはリビングで
『……どうしよう。私、水着なんて持ってない……!』

学生の頃は持っていたらしいが、社会人になってからは激務に次ぐ激務。

休日にプールで遊ぶ余裕なんてあるはずもなく、とっくに処分してしまったのだという。

『ごめん、水着がないから、やっぱり今日は……』と申し訳なさそうに断ろうとする彼女を、俺は内心で(きた……!)と渾身のガッツポーズを決めながら遮った。

『……そうなのか。まあ、きっと良いとこのホテルだし、水着くらい売ってる店があんだろ。現地調達すればいい』

凪が水着を持っていないことくらい、俺には最初から織り込み済みだった。

むしろ、持っていない方が都合がいい。

俺のための俺好みの水着を、凪に着せることができるのだから。

こんな最高なシチュエーションはない。

そして今、俺の目の前で、彼女はその現地調達の真っ最中というわけだ。

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