幼なじみは不滅です!
『消しゴムの持ち主を探すヒントのスキルを覚えました』

消しゴムの持ち主を探すヒント?
あたしは手をぽんとたたく。
あっ、そっか。
消しゴムが落ちてるってことは、誰かが落としてしまったんだよね。
あたしが消しゴムのステータスに向かって指を動かすと、スキルの説明がふわりと浮かんだ。

『消しゴムの持ち主を探すヒント。効果、しばらくの間、机の声が聞こえます』

もはや、ヒントではないし!?
机の声が聞こえても困るんだけど……。
もやもやと考えているうちに、給食の時間になった。

今日の献立は何だろう?

思い出していると、ふとどこからかイケメンボイス――まるで乙女ゲームに出てくるような、かっこいい男の子の声が聞こえてきた。

『信じてよ。俺たちだけは何があっても、こはるのそばにいる』
『安心しろよ。こはるのこと、絶対に守るから』 
『俺たちは、こはるのことを諦めない。信じていたら、未来は変えられるんだよ』

うわあっ、なにこれ!
だ……誰の声!?
あたしは辺りをきょろきょろと見回すけれど、声の出どころは分からない。
今日の献立の一つ、シチューの匂いが漂ってくるだけだ。
戸惑っている間も、教室のあちこちから超かっこいい声は聞こえてくる。

『こはる、俺たちは素直になるって決めた。おまえの笑顔を守るためなら、なんだってする』
『俺たち、机はおまえのことを誰にも渡したくない。だって、おまえのことが大好きだから』
『おまえがいてくれたから、この教室にいて良かったって思えたんだよ。だから頼む、こはる。消しゴムとその持ち主をさがしてくれ』

思いがけない言葉の数々に、ビクッとなる。

この声って、もしかして全て、教室の机なの!?
机の声が聞こえるって、このことだったんだ!

あたしは、机の声があらゆる方向から聞こえてくる状況に目を丸くする。
しかも、謎のラブラブオーラ全開。
だけど、ここに消しゴムの持ち主をさがすヒントがあるような気がしてドキドキしてくる。
給食を食べ終わった後も、じっと机の声に耳をすませる。
すると、隼人が声をかけてきた。

「おーい、こはる。もう、給食の時間は終わったぞ」

机のことで頭がいっぱいだったあたしは、はっと周りを見る。
ほとんどの人たちが給食を食べ終えて、片付けに入っていた。
いつの間にか、給食の時間が終わっていたみたい。

「あ、食器を片付けないと!」

あたしが慌てて食器を片付けようと席を立つと、目の前の自分の机が甘くささやいた。

『ふっ……、行っちまうのか? ……さびしいが、約束だからな。おまえが探している消しゴムの持ち主は、おまえにとって特別な存在だぜ。早く行って抱きしめてやってくれ。……俺の代わりに、な』

ムダにドラマチックな机のナビゲートに、あたしは目を白黒する。
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