幼なじみは不滅です!
『こはる、もう少し右だぜ!』
「あっ……、あった!」

凛花ちゃんの机の声を頼りに、消しゴムを探すとすぐに見つかった。
消しゴムが見つかって感激していると。

「消しゴム、見つかったんだろ」

我が意を得たりと、校庭から戻ってきた隼人が近づいてくる。

「何で、隼人がそのことを?」

あたしはぴたりと言い当てた隼人にびっくりした。
だって、消しゴムのことは、瞬くん以外には話していないのに。

「瞬は、俺でもあるからな」

隼人はドヤ顔で、ものすごく嬉しそうに言った。
うー、そうだった。
隼人は瞬くんでもあるから、瞬くんの今日の出来事を知っているのは当たり前なんだ。
瞬くんは、今日一週目の隼人。
目の前にいる隼人は、今日二週目の隼人。
わーん!
何だか、こんがらがってきちゃった!
やっぱり、隼人が持っている『もう一人の自分を生み出す能力』はとんでもないよ!

「……佐渡なら、もうすぐ、教室に戻ってくるはずだ。てーか、もう昼休み、終わりかよ」

隼人は不満そうにつぶやくと、自分の席へと向かう。
席につくと、周りの男の子たちとわいわいと盛り上がっている。
ふと時計を見ると、もうすぐ昼休みは終わりだった。
他のクラスメイトたちも、続々と教室に入ってくる。
その中には、凛花ちゃんの姿もあった。

「凛花ちゃん!」

あたしが慌てて声をかけると、凛花ちゃんは目をまたたかせる。

「こはるちゃん、どげんしたと?」
「これ、凛花ちゃんの?」

ドキドキしながらも、あたしは消しゴムをそっと差し出した。
すると、凛花ちゃんは驚いた顔をした。

「えっ? なして、うちの消しゴムって分かったけん?」
「その、凛花ちゃんの机の近くに落ちていたから、もしかして……と思って」

あたしが簡単に説明すると、凛花ちゃんはぱあっと顔を輝かせる。

「そうったい。昨日からずっと探していたんよ。こはるちゃん、ありがとー。ばり好いとーよ」

凛花ちゃんは目をキラキラさせて言った。
凛花ちゃんが喜んでくれて良かった。
モノのステータスや声を聞くこの能力が、『誰かの役に立つ』という実感を噛みしめる。
ふと、あたしはチラッと隼人の方へと視線を向けた。

今の隼人は、既にこの昼休みを『瞬くん』として経験済みだから、凛花ちゃんが戻ってくるタイミングを知っていたのかもしれない。

そう思いつつ、消しゴムを渡すと、あたしは思いきって事実を打ち明けた。
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