幼なじみは不滅です!
「わらしべ長者……。じゃあ、このすごいパンが、また別のすごいものに変わるんだね」

あたしがルンルン気分で商店街を歩いていると。

「ねー。見て、あそこ」
「あの男の子、かっこよくない?」
「ほんとだー!」

あたしたちと同じ年頃の女の子たちが、瞬くんを見てはしゃいでいる。
うんうん。
瞬くん、かっこいいよね。
あちこちから感じる熱い視線に苦笑いしていたら。

――どん!

正面から、なにかがぶつかってきて、気がついたらぺたりと座り込んでいた。
抱えていたパンが舞い上がって、ぽてりと地面に落ちる。

「こはる、大丈夫?」
「う、うん。でも……」

瞬くんが手を差し出してくれる。
その温かな手をつかむと、わたしはその場から立ち上がった。
ウロウロと周りを見回すものの。
肝心のパンはつぶれて、ぺちゃんこになっていた。

「パンが……!」

あたしは悲しげに落ちたパンをじっと見つめる。
がっくりと肩を落としていると、上から声が降ってきた。

「ああっ、すみません! お怪我はありませんか?」

慌てて手を差し伸べてくれたのは、大きな荷物を抱えたスーツ姿の男の人だった。
落ちてつぶれてしまったパンを見て、あたしが泣きそうになっていることに気づいたんだろう。
男の人は慌てて、トランクからお土産用の袋を取り出す。

「あの。もしよろしければ、もらってください。福岡で買ったお土産なんですが……」

福岡で買ったお土産?
もしかして……!

「……あ、ありがとうございます」

あたしはドキドキしながら、そのお土産を受け取る。
袋の中を確認してみると、なんと『小倉かまぼこ、カナッペ』って書かれていたんだ。

やったー!
スキルの力で、本当にほしいものが手に入っちゃった!

ステータスやスキルの力に振り回されながらも、こうして目的のものが手に入ったことが無性に嬉しかった。
あたしが心から感激していると。

「おーい、こはる、瞬!」

隼人が猛ダッシュで走ってきた。

「何で、隼人がここに?」

あたしは突然、現れた隼人にびっくりする。
ここに来たのは偶然なのに。

「瞬は、過去の俺だからな。今日のおまえらの行動は全てお見通しだ」

隼人は腕を組んで、自信満々でそう言い切った。
あ、そうだった。
隼人は瞬くんでもあるから、瞬くんの今日の出来事を知ってるのは当たり前なんだ。
だけど……。

「どうして慌てて来たの? 前もってここに来るって分かっているなら、隼人、絶対にパン屋さんの近くで待ち伏せしそうなのに……」
「それがさ、寝坊したんだよ!」

隼人らしい理由だった。

「あとは気になることがあったから、急いできたんだ」
「気になること?」

意外な言葉に、あたしは聞き返す。
すると、隼人は決まり悪そうにぽりぽりと頭をかいた。
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