幼なじみは不滅です!

第五章 誰も知らないステータスの色

カナッペの問題が解決してから数日後。

「おはよう、瞬くん」

教室に入ると、あたしは瞬くんの様子をうかがう。

「おはよう、こはる」

瞬くんはいつもと変わらない様子だった。

この間のさびしそうな表情は、気のせいだったのかな?

気になりつつも、あたしは自分の席についた。
ふと、ぼんやりしていると、あの日のアルバムさんのアドバイスが頭に浮かんでくる。

『隼人様の能力を維持してください』

あたしは少しだけ、身体の奥が熱を帯びていくのを感じていた。

(維持できなくなったら、瞬くんはどうなってしまうんだろう。消えてしまうのかな?)

……いや、まさか!
そんなはずないよ!
ぶんぶんと首を振って、嫌な考えを頭から追い出す。

(瞬くんは絶対に消させない!)

あたしはぐっと噛みしめる。

(だけど、そのためには、どうしたらいいんだろう……)

隼人の能力の真実に踏み込むのは、本当に勇気がいることだ。
どう踏み出せばいいのか分からず、迷いが生まれる。
もし、何か隠されているのなら――それを知った時、どうなってしまうんだろう。
いろんな想いがからまって。
瞬くんの本当の気持ちが見えなくなって。
何が正しいのか、分からなくなる。

(こういう時、アルバムさんたちがサポートしてくれる……って言っていたけれど)

あたしが思い悩んでいると、いつの間にか放課後。
静まりかえった教室。
ぼんやりと机に突っ伏していると、トントン、と肩を叩かれた。

「……隼人?」

振り返ると、そこには隼人が立っていた。
いつも通りの意地悪そうな笑み……じゃない。
どこか無理をして作ったような笑顔だった。

「なあ、こはる。解決係だったよな?」

隼人のその真剣な目が、あたしの心臓をドクンと跳ねさせる。

「うん……。そうだけど」
「その、朝はいろいろあって、相談できなかったことなんだけどさ」

隼人にしては、めずらしく歯切れが悪い。
不思議に思っていると、隼人は真剣な口調で続ける。

「頼む! 俺の悩みを解決してくれ!」
「悩み?」

意外な頼みに、あたしはきょとんとした。

「実は、『もう一人の自分を生み出す能力』についてのことなんだ」

ドキリとする。
先程まで、そのことを考えていたからだ。

「実は俺さ、ずっと同じ夢を見ているんだ」
「同じ夢?」

隼人が打ち明けた事実に、あたしは目を見開いた。

「ああ。いつも見るのは瞬になる夢だ。俺の夢じゃなくて、瞬になる夢」
「瞬くんになる夢」

あたしは隼人の言葉を繰り返す。

同じ夢を何度も見る……?
どういうことだろう?

あ、もしかして……。
隼人が『もう一人の自分を生み出す能力』を使い続ける条件って、『瞬くんになる夢』を見続けることなんじゃ!?
不安が胸の中でふくらんでいく中、隼人は改めて切り出した。
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