幼なじみは不滅です!


学校の校門をくぐると、登校中のみんなの姿がちらほら見えてきた。
昇降口に入り、下駄箱を開ける。

『上履き、レベル3。防衛度100』

防衛度100?
ここ最近、上履きさんはめちゃくちゃ守りを固めている。
何かあったのかな?
あたしは不思議に思いながらも、上履きにはきかえる。
すると、下駄箱から、お手紙がひらりと舞い降りた。
もしかして、これってラブレター!?
そう思っていたら。

『あなたのことが大好きです。放課後、下駄箱で待っています。下駄箱より』
『あなたのことを愛しています。放課後、下駄箱の前でデートしたいです。下駄箱より』
『無視する』

謎めいた選択コマンドが出てきた。
どうやら、手紙の差出人は下駄箱さんみたい。
……困った。
放課後、下駄箱に行きたくないんだけど。
ぐったりとしたまま、教室に入ると、早速、瞬くんに今朝の出来事を相談した。

「こはるが、いじめられている?」
「……うん。今朝、目覚まし時計さんがそう伝えてきたの。どう思う?」

あたしは遠慮がちに尋ねる。
すると、隼人は興味津々の様子で、あたしと瞬くんの間に割って入ってきた。

「心配するなよ、こはる。瞬は、過去の俺だぜ。いじめは、今日で解決するからな」

あたしの不安を吹きとばすように、隼人は断言した。
今日で解決?
どういう意味だろう?
隼人は瞬くんでもあるから、瞬くんの今日一日の出来事を知っている。
もしかして今日、解決へとつながる、何かが起こるのかな?
そう考えていると……。

「……ごめん。僕のせいだと思う」

瞬くんは、あたしたちしか聞こえないような小声でつぶやいた。
えっ……?
それって、どういうこと?
瞬くんの視線を追うと、女の子たちが近くの席に集まってひそひそ話をしていた。

「今日もまた、緒方くんたちと話している。岩内さん、いいなー」
「岩内さんばかり、ずるい」
「これ以上、緒方くんたちと仲良くしないでほしい。幼なじみだからって、調子乗るんじゃないわよ」

瞬くんのことが大好きな女の子たちは、あたしを見てムッとしている。
もしかして、目覚まし時計さんが言っていた『いじめ』って……このこと?

「でも、岩内さんに何かしようとすると、呪われるらしいよ。前に嫌がらせしようとしていた隣のクラスの女の子たちが、机に襲われたってー」
「わたしもその噂、聞いた。上履きを隠そうとしたら、上履きが『たたってやる』とか言って、猛スピードで襲ってきたらしいよー」
「なにそれ……。めちゃくちゃ怖い……」

その噂に、あたしはピンときた。
おそるおそる、教室をぐるりと見回す。
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