幼なじみは不滅です!
『俺は嫌がらせをする女の子は好きじゃないな。みんな、仲良くしろよ』
「はい……」

女の子たちはぽわーんとした顔で答えた。
その眼差しは、まるで恋をしたみたい。

『俺たち、机はいつでも、おまえたちを見ているぜ』

超イケメンの机さんはウインクすると、ぱあっと姿を消した。
その途端ーー。

「うわー、めちゃくちゃかっこよかったー。この机は、今日からわたしの彼氏よ!」
「はあ? ここは私の席なんだから、私の彼氏に決まっているじゃん!」
「ちょっと二人とも、なに言ってるの!」

恋する女の子たちの間で、机の争奪戦が始まった。
うーん。
いろいろありすぎて、何だか、頭が混乱しそうだ。
そもそも、机が彼氏でいいのかな?
しかし、机の争奪戦が激しくなれば、そんな不安も吹き飛んだ。
どんな相手でも、運命の恋に勝るものなどないみたい。
そう実感していると。

「こはる、大丈夫?」

瞬くんの心配そうな声に、あたしははっとする。

「うん、瞬くんたちが守ってくれたから大丈夫だよ。瞬くん、ありがとう」

瞬くんはふっと微笑んだ後、あたしの手の上に自分の手をそっと重ねた。
ドキリ。
その瞬間、暗闇の中に差し込んできた一筋の光みたいに胸の高鳴りを感じられたんだ。
顔を赤らめていると、隼人も話に加わってきた。

「こはる、俺の言ったとおりだっただろ。こはるの能力は最強だからな! いじめなんかには負けないぜ!」
「うーん、最強なのかな……。確かに、いろんなスキルの効果があってすごいかも」

隼人の言い分に、妙に納得する。
隼人が告げたとおり、いじめはこのまま、今日で解決するのかもしれない。

「大丈夫だ。俺の予言を信じろ!」
「……うん」

胸を張る隼人の姿に、あたしは表情を和らげる。
心配事はつきないけれど、確かに今はそう信じるしかないよね。

「何しろ、こはる親衛隊の伝説は始まったばかりだからな」
「なにそれ」

隼人のどこかの冒険譚(ぼうけんだん)の入口のような口振りに、あたしの胸は思わず踊った。

「こはる親衛隊はすごいってこと! ほら、親衛隊最強クラスの机たちだろう。無双の上履きだろう。あと、カレーライスはやっぱり、究極のおいしさかな!」

うんうん。
カレーライスの動向も見逃せないよね!

「目覚まし時計はそっ……なんとかで、アルバムはさささささ……何だっけ?」

うーん。
隼人の口から次々と難しい言葉が出てくると思ったけれど。
やっぱり、隼人は隼人だった。

側近(そっきん)参謀(さんぼう)だろ……」
「それだー!」

瞬くんは呆れたようにため息をつくと、隼人は手をぽんっとたたく。
そんな二人のやり取りに、あたしは心から安堵する。
だって、二人の間には、いつもと変わらない空気が漂っていたからだ。
どんなに周りが変わっても、あたしたち三人の関係は変わらないと本気で思ったんだ。
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