幼なじみは不滅です!


あの親衛隊騒動の後。
あたしたちの教室は、他のクラスの人たちも駆けつけて大騒ぎになってしまった。
ぱっと人目を引くのは、教室に並んでいる机たち。

「確か、この教室の机だよね?」

窓の向こうから、別のクラスの子たちがのぞきこんでいる。

「ねえねえ、どの机?」
「超イケメンの机。会ってみたいなあ」

興味津々な会話。
超イケメンの机の噂は、学校中をかけめぐり、お昼休みに入る頃は机の取り合いで盛り上がっていた。
しかも、あたしに対する嫌がらせのことも発覚して、先生たちが女の子たちに厳しく注意してくれているみたい。

「今日で解決。ほんとに隼人が言ったとおりになっちゃった……」

隼人の能力のすごさに、あたしは目をしばたたいた。
もっとも、机の取り合いは白熱して、歯止めがきかなくなっているけれど。
何はともあれ、これでようやく、運気も上がるはずだ。
だけど……気がかりなことが一つ。

『はあっ……、何でだろうな。夢と違うことをしようとしても、夢の内容と同じ流れになってしまう』

以前、隼人が口にしていた言葉を思い出す。
未来が分かっても、その未来を変えることはできない。
夢で見たことが、そのまま現実でも起こる現象。
それって、まるで『正夢』みたい。
なんだか、頭の中で、もやもやと引っかかるものがあった。
ぐるぐると思い悩んでいたら、凛花ちゃんが慌てた様子で声をかけてきた。

「こはるちゃん、ごめんばい」
「凛花ちゃん?」

突然の謝罪に、あたしは目をまたたかせる。
すると、凛花ちゃんは意を決して続けた。

「うち、こはるちゃんがいじめられていることに気づけんかった。ほんとにごめん」
「ううん、気にしないで……」

実はあたしも今日、初めて気づいたから。
……とは言えない。

「やけん、ひとつお願いがあるっちゃん。何か困ったことがあったら、頼ってきていいとよ。今度は、すぐに駆けつけるけん」

凛花ちゃんがそう言って、あたしの手をぎゅっと抱きしめる。
その瞬間、凛花ちゃんの心配する気持ちが伝わってきて。
ぶわーっと感情がこみ上げてきた。

「うち、こはるちゃんの友達やけん。こはるちゃんのためやったら、どんだけでもがんばれるんよ。何でも頼っていいちゃけんね」
「うん……。凛花ちゃん、ありがとう」

凛花ちゃんの決意。
それがただただ嬉しくて、あたしは大きくうなずいた。

「うちね、みんなの話を聞きながら、ずっと考えよった」

凛花ちゃんは胸いっぱいの気持ちをこめて、言葉を伝える。

「こはるちゃんを守った机さんたち、すごいって」
「それは分かる」

あたしがうなずくと、凛花ちゃんは信じられないという表情で机のひとつひとつを見つめていた。
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