幼なじみは不滅です!
「獅子さん、狛犬さん、ありがとう」

あたしは空気を吸い込んで、胸いっぱいに溢れる気持ちを言葉に変えていた。
心強い味方の到来に、嬉しさと幸せでいっぱいになる。

「瞬くん、おみくじ掛けまで行こう!」
「うん!」

あたしたちが背に乗ると、獅子さんと狛犬さんはふわりと空へと舞い上がる。

「わあっ! すごーい!」
「うん、すごいね!」

あたしと瞬くんは感極まったように、空をぐるりと見回した。
空を一気に駆け抜けて、おみくじ掛けの上空までたどり着く。
そこで獅子さんと狛犬さんは、ふわりとあたしたちを地上に降ろしてくれた。
おみくじ掛けは、ここから目と鼻の先だ。
ただ一つ、問題があるのは……。

『おみくじ掛け、レベル12。無限ループ度100』

おみくじ掛けのアピールが激しくなったってことなんだ!!
うわーん!!
おみくじ掛けのステータスがめちゃくちゃでかすぎる!!
その大きさは、まるで高い壁みたい。
これじゃ、あたしたちをとおせんぼしているみたいだよ!!

「もしかして……これが最後の試練ってこと?」

嫌な予感とともに、言葉を吐き出すと。

『現実を受け止めて諦める』
『現実を受け止めて諦める』
『現実を受け止めて諦める』

いつもの選択コマンドが出てきた!
やっぱり、これが最後の試練なんだ!
……って、選択肢、ぜんぶ同じだよ!?

「……えっ? 今度はなに?」

――びゅおおおおうっ。
突如、突風が神社を駆け抜ける。
真っ黒な針葉樹がざわざわ揺れて、黒い翼のカラスさんたちに道をあけた。

「ギャアギャア!」

真っ黒な矢のようなカラスさんたちが、鋭い鳴き声を上げながら、木々の間を縫って襲い掛かってくる。

『ふっ、おみくじ掛けの仕業ですわね』
『狛犬殿。わしらでカラスどもを止めるぞ』

獅子さんと狛犬さんは身を呈して立ち塞がった。
黒光りする硬いくちばしから、あたしたちを守ろうとする。
怒涛(どとう)の展開。
もはや、状況の変化がめまぐるしくて、ついていけないよ!

「これって……」
『こはる様、お下がりください!』

思案に暮れる間もなく、リュックからアルバムさんが飛び出した。

『ステータス豆知識です。おみくじ掛け様は、わたくしたちのことを(こころよ)く思っておりません』
「えっ? どうして?」

あたしの疑問に、アルバムさんはこほんと咳払いする。

『瞬様は本来、亡くなっています。今の瞬様は、隼人様の能力によって生み出された存在。仮初めの存在です』

……そのメッセージが胸に刺さる。

『おみくじ掛け様は生真面目な方。神様のご慈悲(じひ)とはいえ、(いびつ)な願い事を快く思っておりません。だから、わたくしたちの邪魔をしようとしているのでしょう』

アルバムさんはふわふわと浮かびながら、そう説明した。
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