幼なじみは不滅です!


「こ、ここは……?」

光が消えた途端、あたしは真っ白な空間にいた。
あんまりにも不思議な空間すぎて、まるで夢の中にいるみたい。

「こはる」

不安に感じていると……聞き覚えのある声がして、はっと顔を上げる。

「瞬くん……」

どくん、と心臓が跳ね上がる。
瞬くんは何かを悟った顔をしていたからだ。

「僕、思い出したんだ。自分が何者なのか」
「何者なのか……」

それは予感なんて優しいものじゃなかった。
きっとそれは、あたしがずっと待ち望んでいた言葉。
あたしたちがずっと願っていた願い事。

「僕は、もう一人の隼人じゃない。隼人が持っている能力を利用して、現世に戻ってきた本物の緒方瞬だ」
「本物の瞬くん……」

一年前に亡くなったはずの瞬くんが目の前にいる。
その事実に、ふらりとめまいを覚えた。

「じゃあ、何で隼人は瞬くんのことを、もう一人の自分って言ったの?」
「恐らく、隼人の能力を利用しているからだと思う。隼人は夢の中で、僕の未来を予知することができるみたいなんだ」

そう前置きして、瞬くんは真実を話し始めた。

「それに隼人は、僕の記憶を共有している。僕も、隼人の記憶を共有している。お互いがお互いの記憶を持っている状態。だから、隼人は僕のことを、『もう一人の自分』って言ったんだ」
「記憶を共有……」

そう口にした瞬間、胸の奥で漂っていたものがすとんと落ち着く。

隼人が持っている能力。

それは、『もう一人の自分を生み出す能力』じゃない。
『亡くなった人を制限付きで呼び戻す能力』なんだ。

隼人は、隼人の記憶と瞬くんの記憶を持っている。
瞬くんも、瞬くんの記憶と隼人の記憶を持っている。
二人とも、二つの記憶を持っている。

そして、隼人はその能力のおかげで、現世に呼び戻した瞬くんの未来――翌日の出来事が分かるようになった。
未来予知付きの蘇生能力。
だから、隼人は瞬くんのことを、『もう一人の自分』だって思ったんだ。

「ねえ。瞬くんはこのまま、生きられるんだよね?」
「隼人が……この能力を維持している限り、僕は消えることはない」

あたしがすがるように聞くと、瞬くんは声のトーンを少し落とす。

「ただ、隼人の時間をもらうことになるから、その分、隼人の負担になるかもしれない……」
「俺は、それでもいいからな!」

聞き慣れた声が聞こえてきて、心臓が大きく跳ねた。
振り返ると、そこには隼人が立っていた。

「隼人、どうしてここに?」
「目が覚めたら、ここにいたんだよ!」

あたしの疑問に、隼人はドヤ顔で、ものすごく嬉しそうに言った。
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