獰猛な竜騎士と草食系悪役令嬢
 私が育てていた傷をたちまち癒やす薬草は、水で洗って清潔にした患部に貼り付けておくと、数時間後には浅い傷ならばたちまち治るのだ。

 まずは、流水で傷を洗い流し綺麗にしてから、薬草をペタッと貼り付け包帯を巻いた。

「……なんか、変な感じがするな……スースーするというか。やるじゃん。真似事なのかと思ってたら、ちゃんと治療してくれた」

 ヴィルフリートはえもいわれぬ表情を浮かべて、巻かれた包帯の上に手を置いた。これは、見様見真似ではあったものの、薬草が患部に固定されていないといけないので綺麗に巻けたようだ。

「これ……すっごく効く薬草なんですよ。市場価格だと、とても高価らしいです」

 王城の治療室用のものなので、選りすぐりの薬草しか置かれていない。ジョニーが言うにはここの薬草を全部売れば、人生何回か遊んで暮らせるらしい。

 私は金額が良くわからないと言えば、ジョニーはそうだろうなと苦笑いをしていたけれど……。

「は? そうなんだ。俺に使っても良いのか?」

「良いんです。ヴィルフリートはウィルタリア王国に仕える……竜騎士なんですから」

 私は薬草を育てている時、私を助けてくれたヴィルフリートに使われれば良いなと思っていた。

 すごい。ひとつ、願いが叶った。


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