獰猛な竜騎士と草食系悪役令嬢
「まあ、俺はブライスに今はその気はなくでも良いんだ。俺は待てる男だ。言っただろう? いくらでも、勝機(チャンス)を待てるって」

 そうだった。フロレンティーナのことだって、時間をかけて下準備してから、仕掛けていたものね。

 だからこその、完全勝利で終わったわけだっただけど。

「その……ヴィルフリート。質問があるんだけど」

「なんなりと」

 色気ある流し目に私の心臓は大きく跳ねたけれど、私は大きく息をついて落ち着くことにした。

 待って。どれだけ美男でも、肌一枚脱げば、人は皆同じなのよ! 近距離だからって、緊張し過ぎないの。

「……もし、好きな人に好きな人が居たらどうするの?」

 ヴィルフリートは私の質問に対し、そんなことを聞かれると思っていなく驚いたようで目を見開き、そして、ゆっくりと微笑んだ。

「それは、潔く諦める。邪魔をして、嫌われたくはない」

「そうなんだ……」

 私は恋愛についてこんなにも積極的な彼が、作中あっさりと諦めたことに、なんだか納得した。

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