獰猛な竜騎士と草食系悪役令嬢
 銀竜は私の居る建物の屋根へと降りたって、私の方へと背中を見せて身を伏せた。

「あ。乗れって……こと?」

 まるで、私が乗りやすいように背中を倒してくれたので、戸惑いながらも背に乗った。そして、私が鞍の載った背中に乗り体勢を整えると、まるで私の様子を見ているかのように空へと舞い上がった。

「わあっ……!」

 もちろん、竜に乗って空を飛ぶのは、これが初めて。しかも、数え切れない星たちが瞬く夜空を、風を切って飛行していく。

 爽快で気持ち良かった。こんな時だけれど、何もかも忘れさせてくれるような、そんな体験だった。

 竜はやがて森を飛び川の近くには、野営をして焚き火の前に居るヴィルフリートが見えた。

「ヴィルフリート!」

 銀竜は彼の元へと降り立ち、高い鳴き声で鳴いた。

「……あ? ブライス。メロールに何かないか見張らせていたのに、連れて来るとは……どういうことだ?」

 白いシャツと黒い下衣しか着ていないヴィルフリートは私が降りるのを助けてくれて、メロールと呼ばれた銀竜に問いかけていた。

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