「魔王の定義」魔王になる運命の私は、その運命にあらがいたい
「この辺は騎士団が散々捜索していただろう?」
「ああ、そうだな。俺たち魔聖教会の人間も、この辺が怪しいと何十年も探してきたんだ」
魔聖教会?
聞きなれない言葉が聞こえて来た。
聖教会は町や村に一つはある有名な教会だ。
しかし魔聖教会は聞いたことが無い。
『魔』が付くくらいだ。悪い意味の組織だろうと想像してしまうが、この組織はどうなのだろうか?
その答えは男たちの話の中に見つけることが出来た。
「俺たちの神は一体どこに行ってしまわれたのか……」
「その美しい姿を、一目でも見てみたいものだが……これだけ騎士団が探しているのに見つからないとは……」
「しかし見つからなくて良かった。見つかってしまえば勇者に殺されてしまう。それだけは避けなければならない」
どうやら魔聖教会は私……というか、魔王を神とする組織のようだ。
世界に厄災をもたらす魔王を称えて崇めるなんて、普通はありえない。世界を滅ぼしたいと考えている組織なのだろう。
「魔王様、どこにお隠れになっておられるのだ」
「聖なる洞窟で、その時を待ってくれていれば良いのだが……」
「それでその聖なる洞窟って、何なのですか?」
「……私も詳しくは知らないのだが、聖なる洞窟には秘密があるらしい。この世界の秘密だということは聞いている。それは俺たち魔聖教会が隠している秘密だとも聞いるが、それ以上のことは分からない」
「それってどんな秘密なのですかね?」
「さあな。上層部は知っているらしいがな」
男たちは話を終え、洞窟の捜索を始めると、会話は無くなった。