「魔王の定義」魔王になる運命の私は、その運命にあらがいたい
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次の日、ジェシカは岩の洞窟にやって来た。
魔聖教会の男たちはここを聖なる洞窟と呼んでいた。確かにこの場所は美しく、そう呼ばれるに相応しい場所だと思う。
しかし本当にこの場所に秘密があるのだろうか?
ジェシカはゆっくりと周りを見渡してみるが、何か秘密があるようには見えない。目の前にあるのはごつごつした岩と、美しい湧き水とリコリスの花だけだ。
他に探すとなれば、この湧き水の溜まった池の底ぐらいだろうか?
ゆっくりと湧き水の中に入っていくが、特に変わったところは無い。それもそうか、毎日こうして体を清めていたのだから何かあれば、とうに気づいていただろう。当たり前かと、思いながら軽く息を吐いた。
その時、洞窟に人が入ってくる気配がして、そちらに視線を向けると私は自然と微笑んだ。視線の先には見慣れたあの人が立っていたから……それと同時に湧き水の溜まる池が光り輝きだした。
今日は一カ月に一度の満月の日。あの現象が起こる日だった。
ジェシカが立つ水面が淡く光り出し、いつも美しいその場所が、更に美しく幻想的な景色へと変わる。ジェシカは光り輝く中で、ボーっと光を見つめた。すると、その光が突然遮られた。
いったい何事だと放心していると、焦ったような声が聞こえて来た。
「ジェシカ、大丈夫か?!」
「えっと……ジュウド様?」