「魔王の定義」魔王になる運命の私は、その運命にあらがいたい
出来上がった食事をテーブルに並べ終えると食事が始まった。私は食事を楽しんでいる途中で、先ほどリトの目を通して見たことをジュウド様に話した。すると、私の話を聞いていたジュウド様は、フォークにベーコンを刺したまま固まってしまった。
自分が殺されるかもしれないという話を聞いて、ショックを受けているのかもしれない。
そのまま固まっていたジュウド様の手にあったフォークからベーコンが落ちると、はっとしたようにこちらを見た。
「ジェシカ、君は……」
「ジュウド様の命の危機だというのにすみません」
「そうじゃない。そこではないよ。俺のことはいいんだ。ジェシカ、君は魔王にさせられるかもしれないんだ。分かっているのか?そうしたら俺は君を……」
分かっているが、それが当たり前なことだと思っていた。元から自分は魔王になるものだと、そう思って生きてきたわけで……。
ずっと死ぬことは運命なのだと受け入れ、生きることを諦めてきた。
自分が死ぬことで世界を救えるのだと……それなら短命でも良いと、そう思って生きてきた。
魔王になって死ぬことは運命なのだからと、全てを受け身になって受け入れてきた。
この人に出会うまでは……。