「魔王の定義」魔王になる運命の私は、その運命にあらがいたい

 *

 俺の体は自分の意思を無視するかのように勝手に動き出す。

 嫌だやめてくれ。

 どんなに体に力を入れても、言うことを聞いてくれない。

 嫌だと拒絶し、体を動かすが、俺の手はジェシカの手の上に乗せられたまま離れようとはしなかった。

 俺は子供のように嫌だと首をぶんぶんと左右に振った。

 どうして俺が愛する人を傷つけなければいけないんだ。

 ジェシカの命を奪う。

 ふざけるな。

 嫌だ。

 頼むから手を離してくれ。

 お願いだから、俺にジェシカを殺させないでくれ。

 しかしジェシカは覚悟を決めたように語気を強くした。

 世界の平和のために自分を殺せと言う。

 俺にとっては世界なんてどうでもいい。

 ジェシカが生きていてくれさえすればそれでいい。

 それなのに……。



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