「魔王の定義」魔王になる運命の私は、その運命にあらがいたい
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ジェシカが消えてしまってから、手を握ったり開いたりするのが癖になっていた。ジェシカを刺したあの時の感触が消えない。
あの日のことを思い出すと心臓がえぐられるように痛い。
そして深い悲しみに襲われる。
生きているのが辛い。
それでもこの手の感触が、思いが、俺を奮い立たせる。
俺はあの日から、ジェシカを追い詰めた奴らを罰するために動いた。
まずはゴルドウを処罰した。
処刑台に上がったゴルドウは生気を抜かれたような顔をしていた。その口元は小さく動いていて、ぼそぼそと何かを言っている。
「魔王様は復活されたのになぜだ、なぜだ、なぜだ……」
そんなゴルドウを冷めた目で見ながら死刑執行の合図を送った。
ゴルドウの首と体が離れる瞬間を見ても何の罪悪感も湧かない、一つ仕事が終わったとそう思うだけだった。
その次は陛下の処遇についてだ。
陛下はここ数年、心を病んでいた。
何十年と魔王の存在に怯え、政務を行ってきたことで、正気を保つことが出来なかったようだ。勇者である俺が見つかり安心したものの、そこからの数年もの間魔王が見つからず、心が休まらなかったことで疲弊していったようだ。
陛下は魔王を討伐することこそが、この世界の平和につながる。そう信じて疑わなかった。
その結果が、聖女を失うという結果に繋がった。
王を失脚させることが出来ても、処刑台に送ることは出来なかった。